見なくていいもの

category - essay
2021/ 01/ 23
                 


これはスカイツリーだが、もっと知ろうと寄りすぎるとレンズは鉄の正体を
暴き出す。富士山もそうだし、もっと言うなら若い頃に憧れた都会の臓物
もそうなんだろう。遠くにありて想うものと言うように、好きでいたいなら、
見なくていいもの、知らなくていいもの、そんなことってじつは多いものな
んだ。

都会に暮らしスキーへ行く。その程度のラブスノーなら雪は白いドレスの
お姫様なんだろうが、路肩でドス黒くなり果てた圧雪は醜く、地元の人々
にすれば雪は悪魔そのものだろう。
物事は立ち位置で決まるもの。他人とうまくやるコツのようなものがある
とすれば、決定的なのは見なくていいものを見極めて、つねにほどよい
距離をおく。それって、やさしさの本質だと思うんだね。

俺にはそこが欠けていた。若い頃は知りたがり、突っ込みすぎて、だから
自分を苦しくしていく。スカイツリーは都会の象徴として美しく存在する。
近視眼的に望遠レンズで寄せてやるより、広角レンズで広い目で見てや
ればいいんだよ。人は心にレンズを持って相手によって使い分けて生き
ている。

ただしかし単焦点レンズの頑固さにも魅力はあるよ。こだわりというヤツ
だ。撮影データってものがあり、28ミリレンズで撮ったという確証が残る
んだが、ズームの困ったところがそこにあり、そのときのご都合で撮って
しまい、さて何ミリと言われると、28よりちょっとそっちの31ミリぐらい
かなってことになる。基準がないってことだよね。

できた写真が良ければいい。うん、それは言えると自己満足。(笑)

北陸のいいところ富山のいいところ。そしていま、東京で出会った人たち
の良かったところを振り返る立ち位置に俺はいる。
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